「ハリウッド」「ケンブリッジ」

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この当て字、読めますか?<地名編>

世界に名だたる都市の漢字表記は?

「ハリウッド」「ケンブリッジ」

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幕末の開国以降、急速に広まった外国の固有名詞。中国を中心に漢字文化圏との付き合いが中心だった日本にとっては、外国の言葉をどのように日本語で表記するか、試行錯誤が続きました。明治・大正の頃には、日本独自の「当て字」で外国語の固有名詞を日本語に移し替えるケースも多かったのだとか。
こうして作られた当て字には、思いがけない漢字が転用されることもありました。先人の知恵と工夫がしのばれる、ちょっとおもしろい「当て字」をご紹介します。

映画の都の日本語訳は、まさかの誤訳!?

ハリウッド

アメリカ合衆国、カリフォルニア州ロサンゼルス市の街、ハリウッド。世界的な映画産業の都として有名です。このハリウッドを、漢字ではこのように書きます。

「聖林」
ハリウッド/Hollywood

なるほど、「wood」を「林」と訳したわけですね。ということは、「Holly」は「聖なる」という意味でハリウッドとは「聖なる森林」という意味だったのか!……と思った方、ちょっと待ってください。
「神聖な・聖なる」を英語で記すと、つづりは「Holy」。クリスマスソングで「ホーリーナイト」という時の「Holy」です。ハリウッドは「Hollywood」。つづりが違うのです。

では、「Holly」とはいったい……?

答えは「ヒイラギ」。Hollywoodは訳すと「ヒイラギの森」となるのです。
もともとこの地はハリウッドという名前ではありませんでした。また、カリフォルニアではセイヨウヒイラギは育たないにも関わらず、この地の大きな農場に隠退した夫妻が、友人の別荘の名前を借りて農場を「ハリウッド」と名付けた……という由来が伝わっています。
ハリウッドを「聖林」としたのは、HollyをHolyと間違えた誤訳だったのです。もっともヒイラギはヨーロッパ圏では古くから「聖木」とされ、クリスマスの装飾には欠かせない植物なので、あながち「聖」の字はまとはずれ、というわけでもないかもしれませんね。

まるで洒落のような学園都市の当て字

「ケンブリッジ」

イギリス、イングランド東部のケンブリッジ。ロンドンから北北東に80kmの地にあり、ケンブリッジ大学を有する、世界有数の学園都市として知られています。このケンブリッジを漢字ではこのように書きます。

剣橋
ケンブリッジ / Cambridge

この当て字の由来は、実ははっきりとはわかっていません。
ケンブリッジの地には、実際にRiver Cam(カム川)が流れていますが、Camは漢字にしにくかったのでしょうか。ケンは、日本語の「剣(けん)」の音をそのまま当てています。そもそも当て字とは「当座の字を当てる」ことでもあるので、当て字を作る際に漢字の字義を無視し、読み方のみを考慮して、漢字を転用するのはよくあること。「剣橋」の「剣」はまさにその典型といえるかもしれません。
ブリッジには「橋」の漢字が当てられました。これは当て字のもうひとつの作法である、漢字の読み方を無視し、字義のみを考慮して当てる方法がとられています。ふたつの違う当て字の作り方を組み合わせて、「剣橋」という当て字が生まれたのですね。音を表す漢字と、意味を表す漢字がひとつの都市名に組み合わさることで、なんともユニークな印象を残します。

ところで、イギリスにおいてケンブリッジと双璧をなす学園都市といえば、イギリス最古の大学のある街、オックスフォードです。このオックスフォードにも、洒落の効いた漢字が当てられています。

牛津
オックスフォード / Oxford

オックスは雄牛、フォードは浅瀬の意味があるところから、「牛津」という当て字がつけられたと考えられます。実は佐賀県に牛津という地名が実際にあります。そんな地名のつながりも、おもしろいところですね。

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