「折り紙付き」「裏付け」

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コトバの語源

「付」がつくとどう変わる?

「折り紙付き」「裏付け」

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「付」とは、あるものと他のものが離れない状態になること。「付」がついた言葉はたくさんありますが、今回は「折り紙付き」「裏付け」のふたつの言葉を探ります。どちらも「折り紙」や「裏」といった、もともとの言葉が表すものを超えた意味をもち、さらにどちらも「証明」にからんだ言葉です。さて、ふたつの言葉の語源とは?

折り紙付き

折り紙、というと、一般的には、色紙で鶴や舟、やっこさんなどいろいろな形に折る遊び、またそれに用いる色紙を思い浮かべます。しかし、「折り紙付き」という場合、意味は「絶対に間違いないと保証できること。またそうしたもの」を表します。
そこまでの保証を担保する「折り紙」とはいったい何のことなのでしょう。

「折り紙付き」の「折り紙」とは、奉書紙(ほうしょがみ)・鳥の子紙(とりのこがみ)などを横半分に折った形の文書のこと。どちらの紙も丈夫で上質、高級な紙です。二つ折りの紙は、平安時代から公式文書・贈答品の目録などに用いられました。

やがてこの「折り紙」は室町時代以降、太刀を人にあげる際に目録として使われるようになり、その後、日本刀の鑑定の証明書として使われるようになります。
そうした経緯から、「折り紙付き」とは「鑑定書付き」という意味になり、現在のように、絶対に間違いないと保証できること、という意味で使われるようになったといわれています。

奉書紙は、古くから使われてきた和紙の原料である、上質の楮(こうぞ)を使った白くなめらかな厚手の紙です。越前(福井県)のものが有名で、室町幕府の公文書用に採用されたことから「奉書」の名がつきました。
また、鳥の子紙は雁皮(がんぴ)を使った艶のあるなめらかな紙。先述のとおり、公文書に使われたほか、上流階級の永久保存用の冊子を作るのに使われたり、写経に用いられたりもしました。
ちなみに、奉書紙などを横半分に折ったのち、折り目どおりに切り離したものを「切り紙」といいました。その紙は手紙に使われたため、切り紙に書いた手紙そのもののことも「切り紙」と呼んだりもします。

公式に保証できるもの、特別なものであると鑑定されたもの、という証明に使われた素晴らしい和紙。手に取って「折り紙」の語源に思いをはせてみたいものですね。

裏付け

「裏付け」には、いくつかの意味があります。一つは、衣服などに裏をつけて補強し、丈夫にすること。二つめは、「裏付け捜査」といった言葉に使われるように、「結論を、証拠や資料によってほかの面から証明し、確実なものとすること」です。

諸説ありますが、一説によると、室町時代、文書の表に書かれている文面を承認・保証するために、受理した側が裏に花押(簡略な形にした自著)を記す習慣があり、これを「裏判」といいました。裏判は表の文書が原本であることを確認したり、その効力を保証する目的がありました。この裏判を「裏付け」ともいったことから、信ぴょう性を証明するものに対して「裏付け」というようになったといわれています。

ところで、マスコミで使われる用語として「裏をとる」という言葉があります。取材の内容が正しいかどうかを判断できる材料を集め、報道してよいか裏付けをとることをいいます。裏を付ける、という行為は地道で手間のかかることですが、「ものを丈夫で確実なものにする、信頼できるものに仕上げる」ために欠かせません。不確かな情報をベースにした報道が問題になることが頻繁に起こる昨今、裏付けの大切さをあらためて見直したいものですね。

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