“羽目を外す・眉唾(まゆつば)”言葉の由来

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コトバの意外な由来をたどる

コトバの語源⑤

“羽目を外す・眉唾(まゆつば)”言葉の由来

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ごく普通に使っている言葉でも、どうやってできたのだろう、と思う表現はありませんか? 語源をたどってみると、ユニークな由来がある言葉は多いのです。今回は、認知度は高いものの、由来はなかなか知られていない言葉の語源をご紹介します。

羽目

羽目をはずす

調子に乗って、度を越してしまうことを表す言葉です。「旅先でつい羽目をはずして飲みすぎてしまった」のように、調子に乗って想定以上のことをしてしまったという意味で用いられます。

この「羽目」とは何かご存じでしょうか。「羽目」は、馬の口に噛ませる金具の「馬銜(はみ)」が転じた言葉といわれています。馬に乗る時には手綱(たづな)を手にしますが、この手綱とつながっているのが、馬の口に噛ませた馬銜です。つまり馬銜は、手綱を通じて馬をコントロールするための大事な道具なのです。

馬から馬銜をはずすと人間の言うことをきかなくなり、コントロールが難しくなります。つまり、「羽目をはずす」とは、馬銜をはずした馬が自由に動いてしまう様を、人間の度を越した行為に例えたものなのです。

かつて馬は戦争時の戦力となっていたため、馬を思いのままに制御しなければなりませんでした。ただ、当時は縄を馬の首などに巻きつけただけのものしかなく、うまく制御できなかったといわれています。それが馬銜の登場で、馬のコントロールが可能になったため、馬銜は人間と馬の長い歴史の中でも最大の発明と称されています。

馬銜の歴史は大変古く、およそ6000年前に中央ヨーロッパで使われていたものが、世界最古の馬銜だそうです。驚くべきは、基本的な構造は今使われている馬銜と変わらないということ。大変な発明だったといえます。

たぬきときつね

眉唾(まゆつば)

「彼の転職先が一流企業だなんて眉唾だ」のように、だまされないように用心をするという表現です。また、真偽が確かではないもの、または怪しく感じ疑ってかかることを表す「眉唾もの」という単語としてもよく使われています。

「眉唾」の由来は、二つの説があります。一つは、眉に唾をつければキツネやタヌキに化かされることがないという言い伝えからきた説。昔、キツネやタヌキは、人を化かす時に眉毛の毛の数を数えるといわれていたそうです。そのため、眉に唾をつけて数を数えられないようにすればだまされることもない、という考えが伝えられています。

もう一つの説は、平安時代の豪傑・藤原秀郷(ふじわらのひでさと)が、現在の滋賀県にある三上山(みかみやま)で大ムカデを退治した伝説によるもの。大ムカデの吹く炎で藤原秀郷の眉毛が焼かれそうになった時、藤原秀郷が唾を眉毛につけてしのぎ、さらに矢にも唾を塗って退治した、という内容です。古来より唾には魔力を封じる力があると信じられていたことにも関連しています。

ちなみに、江戸時代までは「眉に唾をつける」と、そのままの表現で使われていたようですが、明治時代に入ってから「眉唾」という短縮された表現に変化したようです。

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