「ジンクス」「たそがれる」

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間違いやすい日本語

実は反対の意味

「ジンクス」「たそがれる」

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言葉のイメージには、いいものと、悪いものがありますね。そのイメージ、実は本来の意味と逆だったら……? ポジティブ、もしくはネガティブな思い込みのイメージが反転するかもしれない、よく間違われている言葉をご紹介します。

実は「不吉なこと」が本来の意味「ジンクス」

「ジンクス」という言葉の正しい使い方は?

1. 2年目のジンクスどおり、彼の成績は振るわなかった
2. 監督の勝利のジンクスで、チームは3連勝した

一見、どちらも間違っていなさそうです。実際に「ジンクス」を辞典で調べてみると、「縁起のよい、または悪い言い伝え、縁起を担ぐ対象とする物事(出典 小学館デジタル大辞泉)」と書かれています。

ですが、ジンクスは実は本来「縁起の悪い物事」を指す言葉。1が正しく、2は本来であれば間違いなのです。

ジンクスは英語で「jinx」と書きます。日本大百科全書(ニッポニカ)によれば、「古代ギリシアで、魔術に使った鳥の名・jugxに由来し、不吉なことや人力の及ばない運命的な物事や定めを意味している」とのこと。よく知られているジンクスには「13日の金曜日は不吉」とか「黒猫が横切ると不吉」などがあり、根拠がないとされながらも、根強く存在し続けています。

現在の日本では、「幸運を呼ぶジンクス」「恋愛成就のジンクス」など縁起のよい意味にも使うことが増えているのですが、本来「ジンクス」は「縁起の悪い物事」を指す言葉ですから、間違った使い方は避けたいものです。縁起のよい物事についての表現には「縁起を担ぐ」「験を担ぐ」という言葉があります。先ほどの問題なら、「監督の勝利の験担ぎで、チームは3連勝した」と言い換えるといいですね。

「国際的スポーツ大会の日本選手団長は、金メダルを獲得できない」というジンクスがありますが、2018年冬季大会において小平奈緒選手は見事ジンクスを破って金メダルを獲得!喜ばしいニュースに日本中が沸きました。「ジンクスを破る」という言葉には、根拠のない言い伝えを覆す爽快さ、困難を乗り越えた人への惜しみない賛辞が含まれているよう。スポーツ、学問、さまざまな分野で、今年も「ジンクスを破る」強い人たちの姿が見たいものですね。

夕方を指す言葉だが、別の意味合いも「たそがれる」

「たそがれ」とは、漢字で書くと「黄昏」。日が暮れて薄暗くなってきた頃を指す言葉です。江戸時代には「たそかれ」と言いました。夕暮れ時、人の顔の判別がつかなくなる時間帯を「誰そ彼(誰ですか?あなたは)」と言い表したのです。対になる「かわたれ(彼は誰)」という言葉もあり、こちらは夜明け時を指します。

では、「(人が」たそがれる」というとき、その正しい意味は?

1. 物思いにふける
2. 人生の盛りを過ぎる

答えは、2。「たそがれる」には、「盛りを過ぎて衰える。人生の盛りを過ぎる」という意味があるのです。ですが、実は近頃は、1の意味で誤用されることが多くなっているのです。

物思いにふけっている様子や、物憂げな様子でいる人を「彼が教室の窓辺でたそがれている」などと言うのが代表的な誤用。人生の盛りを過ぎた人の様子と結びつけてか、あるいは、1日が終わる夕方の物憂げな気分を反映してか、たそがれどきの気分を転じて、この言葉を「物思いにふける」という意味で使うようになったのでしょうか。現在は間違いとされている表現ですが、もしかすると、いずれ新しい日本語として認定されるようにもなるかもしれませんね。いずれにしても、老境とは程遠い若い人に「たそがれている」と言わないように気をつけたいですね。

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