語源・由来|「幸せ」「ちぐはぐ」 思いもよらない語源を持つ言葉

語源・由来|「幸せ」「ちぐはぐ」 思いもよらない語源を持つ言葉


日常生活でよく出てくる言葉でも、語源を知らない言葉は多いのではないでしょうか?今回は、語源をたどると意外なものにたどり着く二つの言葉「幸せ」「ちぐはぐ」についてご紹介します。

幸せ

運が良いこと、物事がうまくいき満ち足りた気分になることを表す言葉です。「今日は友人と幸せな1日を過ごした」のように不平不満を感じない、楽しい気分を表す時にも使われます。
どうしてそのような様子を「幸せ」と呼ぶようになったのでしょうか。その語源をたどると、室町時代に生まれたとされる「しあわせる」という言葉に行き着きます。
「しあわせる」とは、「為る(なる)」と「合わせる」を組み合わせた言葉。漢字では「仕合わせる」と表記されます。
この「仕合わせる」という言葉はもともと、動作が合う、めぐり合わせという意味を持っていました。そこからめぐり合わせが良い、または悪いという意味で、「しあわせが良い・悪い」のように良し悪しを加えた表現として使われるようになったそうです。
当初は良し・悪しをつけて表現していましたが、江戸時代以降になると、「しあわせ」という言葉のみで幸福である状態を表すように変化したといわれています。さらに、めぐり合わせが良い状態よりも気持ちを表す意味に変化したため、「幸福」という言葉の「幸」が「しあわせ」にあてられたのだとか。
しかし当初は、「幸」という漢字そのものに運が良い、ラッキーという意味はなかったそうです。これらの意味があてられた由来には、幸福とは程遠い「幸」という漢字の成り立ちがあります。
この漢字は、刑罰に使われる「手かせ」をかたどった文字です。手かせをはめられるだけで済み、重い刑罰を免れた、死を免れたという運に恵まれた様子から、「幸」の意味は運が良い、幸運にまで広がったと伝えられています。

ちぐはぐ

「彼女の言動はいつもちぐはぐだ」のように、二つ以上のものが食い違っている、うまく合わさっていない、調和していない様子を表す言葉です。
「ちぐ」は金づちを意味する「鎮具」、そして「はぐ」は釘抜きを意味する「破具」と書きます。つまり、どちらも大工用具が語源となっています。
金づちは釘を打つ時に使い、釘抜きはその名の通り釘を抜く時に使う道具で、それぞれ相反する動作を行うもの。そんな二つの道具を交互に使っていたり、使いどころを誤っていたりすると、なかなか仕事は進みません。そんな様子を食い違っている様子に例えたのが、「ちぐはぐ」です。
また、「ちぐはぐ」の語源には「ちぐ」が「一具」、「はぐ」が「剥ぐ」という説もあるそう。一具とは物が一揃いになっていること、剥ぐは「はぐれる」という意味で、一通り揃っているはずのものが欠けている様子から、一貫性がない、調和がとれていないという意味になったのだそうです。

語源をたどると「幸せ」は刑罰、「ちぐはぐ」は大工用具と、いずれも言葉からは想像がつきにくいものだったのではないでしょうか。このように語源には意外なものが隠されていることが多いのが、日本語の興味深いところ。語源をたどることは、日本語をよりおもしろくする要素となるかもしれませんね。

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