間違いやすい日本語|「浮き足立つ」「おもむろに」 人のしぐさと気分を表す言葉

間違いやすい日本語|「浮き足立つ」「おもむろに」 人のしぐさと気分を表す言葉


人の行動やしぐさを表す言葉には、その時の気分もセットになって表現されている言葉があります。今回はそうした、しぐさと気分を表す、間違うと正反対の意味になりかねない日本語をご紹介します。

嬉しくて?不安で?落ち着かないその理由とは「浮き足立つ」

「浮き足立つ」は、落ち着きがない様子を表す言葉。さて、どのような時に使っていますか?実はこの言葉、使うシチュエーションが限定されるのですが、正しい意味はどちらでしょう?

1.ウキウキして落ち着かなくなる。【例:春は浮き足立つ季節だ。】
2.恐れや不安を感じて逃げ腰になる。落ち着きがなくなる。【例:敵の攻撃に浮き足立つ。】

正解は、2。
恐れや不安から、落ち着きを失ったり、ソワソワしたり、逃げ腰になることを「浮き足立つ」といいます。「倒産の噂に、社員は浮き足立った」というように、基本的には危機的な状況、マイナスな状況で使う言葉なのです。

現代では、「浮き足」という言葉のイメージと、「浮かれる」あるいは「ウキウキ」という語感がつながるのか、1の意味で誤用されることが非常に多く、使用する際には気をつけたいところ。嬉しさ、高揚感で落ち着かない状態を表す場合は、「地に足がつかない」というのが正しいですね。

そもそも語源をたどると「浮き足」には「浮かれる」といったニュアンスはありません。「浮き足」とは「地面をしっかり踏んでいない足」のこと。つまり、かかとを上げて、つま先だけが地面についているような不安定な状態を指します。そこから、落ち着かない足取りのことも「浮き足」というようになったようです。

不安で逃げ腰なのと、高揚して地に足がつかないのとでは、その状況・気分は正反対。使い方には十分注意したい言葉のひとつです。

突然?それともゆっくりと?「おもむろに」

「彼は、おもむろに立ち上がった」と書かれていたら、どのような様子を想像しますか?

1.不意に、立ち上がった
2.ゆっくりと、立ち上がった

正解は、2。
「おもむろに」は「落ち着いてゆっくりと事を始めるさま」を表す副詞です。
この解答、迷った方も多いのではないでしょうか。実は平成26年度に文化庁が行った「国語に関する世論調査」で「おもむろに」の正しい意味を尋ねたところ、正答者が44.5%にとどまり、誤用である「不意に」を選んだ人が40.8%もいるという結果が出ました。50代以下では、誤った意味でとらえている人のほうが多かったのです。

「おもむろに、こちらを振り返った」「おもむろに、話しだした」などと使いますが、言葉や動きにタメや静けさがある場面で使われることも多いため、「不意に」や「突然に」の意味として読んでも文の流れに違和感が少なく、誤用に気づきにくい言葉です。
しかし、冒頭の例文「彼は、おもむろに立ち上がった」が、何か困難なことが起きた状況下で使われたとしましょう。「落ち着いてゆっくりと」の意味で正しくとらえれば、困難な状況にも動揺しない、重厚感あるしぐさがイメージされます。一方、「不意に、突然」の意味で誤用すると、そのしぐさは正反対。慌ただしさが漂ってしまいます。書かれている場面を正確に読みとるには、やはり、正しい意味を知っていることが大切ですね。

間違わないためのポイントは、漢字で覚えておくこと。「おもむろに」は漢字では「徐に」と書きます。これは「徐々に(ゆっくり進むさま)」、「徐行(ゆっくり進むこと、車が直ちに停止できる速度で走ること)」の「徐」です。

ちなみに、「やおら」という言葉の意味はご存じですか?「やおら、立ち上がったかと思うと」「やおら引き寄せると」などと使いますが、この言葉は、「おもむろに」と同じ意味。漢字では「徐ら」と書き、静かにゆっくり動作することをいいます。そして、「やおら」は「突然」の意味で誤用されることが大変多い言葉です。「やおら」と「おもむろに」の正しい意味、ぜひともセットで覚えてくださいね。

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