温泉|湯の峰温泉 つぼ湯(和歌山県) 小さな小さな温泉は“入浴できる世界遺産”

温泉|湯の峰温泉 つぼ湯(和歌山県) 小さな小さな温泉は“入浴できる世界遺産”


湯の峰温泉は、熊野三山のひとつ・熊野本宮大社に至る熊野古道 中辺路(なかへち)沿いにあり、開湯1800年を誇る温泉地。古くから熊野詣の旅人たちが道中にみそぎをし、疲れを癒やす「湯垢離場(ゆごりば)」として栄えてきました。現在は湯の谷川沿いに十数件の宿が並ぶ小さな温泉街ですが、昔ながらの風情を感じられる関西の名湯として多くの人に愛されています。

熊野詣の疲れを癒やす日本最古の湯

湯の峰温泉の名は、当地のお寺「東光寺」の本尊に由来するといわれています。源泉の周囲に湯の花が積もって薬師如来の形となったものが東光寺の本尊で、その本尊の胸から温泉が噴出していたことから「湯の胸温泉」、それが転じて「湯の峰温泉」となったのだとか。泉質は硫黄の香りが漂う重曹硫化水素泉で、リウマチ、神経痛、糖尿病、胃腸病、痛風、皮膚病などに効能があるとされています。
熊野に語り継がれる「小栗判官(おぐりはんがん)伝説」、小栗判官とその妻照手姫の波瀾万丈な人生を描いた物語の舞台でもある湯の峰温泉。温泉そのものにも伝説が残るのはもちろん、周辺には小栗判官が髪を結っていたワラを捨てた所に稲が生え、毎年実るという「まかずの稲」や、小栗判官が湯治の際、体力を試すために持ち上げたとされる「力石」といった史跡が残っています。また、熊野詣の道中に熊野の御子神を祀った「熊野九十九王子(くまのくじゅうくおうじ)」のひとつ、「湯峯王子(ゆのみねおうじ)」も有名です。

こぢんまりとした“つぼ湯”は不思議な七色の湯

湯の谷川のそば、茅葺き屋根の小さな小屋が目印の「つぼ湯」は、熊野詣の参詣道の一部として世界遺産にも登録されています。「小栗判官伝説」の中で、毒を盛られ、重い病に苦しむ(餓鬼阿弥<がきあみ>の姿で地獄から送り返されたとする物語もあります)小栗判官をよみがえらせたとされる名湯です。
天然岩の小さな湯つぼは2~3人も入れば満員になってしまうため、30分ずつ貸し切りで入浴するようになっています。世界でも類を見ない“貸切入浴できる世界遺産”を目指して訪れる人も多く、順番待ちになることもあるのだとか。1日に7回も色が変わるといわれる、なめらかで心地よいお湯も評判です。

公衆浴場にもぜひ立ち寄りたい

つぼ湯の入浴料金には、湯の峰温泉公衆浴場の料金も含まれています。「一般湯」と「くすり湯」のいずれかに入浴できますので、こちらにもぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
つぼ湯とくすり湯はシャンプーやせっけんが使えませんので、温泉浴の前後に髪や身体を洗いたいときは一般湯がおすすめです。くすり湯は、92℃にもなる高温の源泉を、水を足さずに自然に冷ました源泉100%の湯。湯の花の舞う名湯を存分に楽しめて、こちらもまた魅力的です。

温泉水や温泉卵をお土産に

湯の峰温泉公衆浴場には温泉くみ取り場もあり、10リットル100円で温泉水を持ち帰ることができます。そのまま飲むもよし、お茶やお料理に使ってみるのもまた一興です。湯の谷川沿いには92℃の源泉が吹き出す湯筒が湯けむりを上げていて、写真のように卵や野菜をゆでるのに利用されています。卵や野菜は近隣のお店で売られていますので、地元の方々に混じって、湯の峰温泉ならではのお土産作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。

歴史ある温泉地、世界遺産の湯というだけでなく、優れた泉質で湯治場としても人気の高い湯の峰温泉。ロマンあふれる小栗判官伝説や古の熊野詣の様子に思いをはせながら、温泉好きをもうならせる名湯にゆっくりと浸かる贅沢なひとときを過ごしてはいかがでしょうか。

※掲載されている情報は平成28年5月現在のものです。

最新の投稿





せたがや相談室~体を温める食事~|第3回 ショウガや旬野菜を組み合わせる

せたがや相談室~体を温める食事~|第3回 ショウガや旬野菜を組み合わせる

朝晩冷え込む季節になると、気になってくるのが体を温める食事。体を温めることには、疲れにくくなる、風邪をひきにくくなるなど、さまざまな効果があるといわれています。そこで今回は、栄養士・国際薬膳食育師特級師範・食育インストラクター1級の阿部富美先生を迎え、10月のお悩みテーマ「体を温める食事」について、みなさんの質問をもとにアドバイスをうかがいました。



せたがや日和とは?
世田谷自然食品ホームページ