せたがや相談室~体を温める食事~|第4回 体も心も温める食生活の送り方

せたがや相談室~体を温める食事~|第4回 体も心も温める食生活の送り方

朝晩冷え込む季節になると、気になってくるのが体を温める食事。体を温めることには、疲れにくくなる、風邪をひきにくくなるなど、さまざまな効果があるといわれています。そこで今回は、栄養士・国際薬膳食育師特級師範・食育インストラクター1級の阿部富美先生を迎え、10月のお悩みテーマ「体を温める食事」について、みなさんの質問をもとにアドバイスをうかがいました。


今回の質問 ・お弁当を温めて食べることや、スープなど用意できない職場などで何かおすすめの食材や方法はありますか?
・心と体を温める食事内容を教えてください。

たくさんのご応募をいただきましたが、より多くの質問にお答えするため、まとめて回答させていただきます!今回ご質問をしてくださった、にゃんた様、偏食じじいひとり様ほか、たくさんのご質問、ありがとうございました!

●今回担当の専門家

阿部富美 先生
栄養士免許取得。
食育インストラクター1級取得後、養成推進校に認定される。国際薬膳食育師の最高峰、特級師範を取得後、1997年に始めた料理教室が、2013年から開始された薬膳マイスター通学制制度に全国初で認定される。レシピを教えるだけの教室ではなく、「食」に関する様々な知識を指導する重要性を感じ、現在は各所で食と健康についての講演、講座を受け持つ。楽しく美味しいヘルシーレシピを学ぶ料理教室と、様々な健康と食についての事業を展開している。

「冷たい料理=体を冷やす」とは限りません

質問 ・お弁当を温めて食べることや、スープなど用意できない職場などで何かおすすめの食材や方法はありますか?
第1回でお話したように、体を温める食材・冷やす食材というのは、その食材の性質のことであって、温度の高い低いではありません。例外もありますが、料理自体が温かくても冷たくても、食材の性質は変わらないといわれています。つまり、「冷たい(温度が低い)料理」でも「体を温める食材」を使っていれば、一時的には胃の中を冷やしますが、長期的に冷えにくい体質をつくることができます。冷めたお弁当だからといって、体の冷えに直結するわけではないのです。

お弁当を召し上がる方が冷えタイプの方なら、たとえばネギとかしょうがなどの体を温める食材を多めに入れてあげる。香りのある野菜の風味を効かせたおかずは、冷えてもおいしいものが多いです。

季節の食材のヒントは身近にあります

どの食材が体を温めるのか、冷やすのか分からない場合には、季節の野菜、旬の魚に関心を持つのが良いと思います。青果店や鮮魚店だと旬のものが多く並びますし、最近ではスーパーでも「○○はいまが旬!」とおすすめが書いてあります。食材の性質は調べても忘れてしまうことがありますから、普段から買い物をするときに注意して見て、積み重ねていくことも大切です。

あとはテレビや新聞でも、サンマの水揚げや芋煮会など、季節の便りが報じられています。旬の食材についてのヒントは、意外と身近にたくさんあるものです。

冷めてもおいしい、お弁当の工夫

体の冷えからは少しずれますが、お弁当の場合は「冷めてもおいしいかどうか」を気配りしたほうが、おいしく楽しい食事になります。

たとえば、ただ肉を焼いただけだと、冷えたときに固くなって脂身が白くなりますが、衣をつけてから加熱する調理法は冷めても柔らかい触感になります。あんかけも汁が出ない程度のしっかりしたあんにすれば、冷めてしまった野菜もつややかで目にもおいしいです。冷めてから食べるお弁当の場合は、そうしたひと工夫をしてあげると良いですね。

スーパーやコンビニでお惣菜を選ぶコツ

お惣菜は揚げ物が多く、どうしても食事のバランスが偏りがちになります。油をたくさん使ったものや、揚げ物のお惣菜を昼に食べるなら、朝と夜は油をあまり使わないメニューにするとか、余裕のあるときは手作りのお弁当を持つとか、1日の間、あるいは数日間の食事内容でバランスをとると良いですね。

お惣菜を選ぶときにも、やはり季節の食材を意識して取り入れたいです。10月・11月くらいなら根菜類やブロッコリーなどがお惣菜コーナーに並び始めるようになると思います。あとはいろどりの良いお惣菜を選ぶようにしましょう。そうすると食事のバランスが整います。

食事のバランスを整えることは、体調を整える生活の基本です。体を温める食材かどうかは、勉強しないと見極めが難しいものです。そこにとらわれずに、「いろいろな食材を食べよう」と考えたほうが、より早く、より良い結果につながりやすいと思います。

旬のものは心もうれしい。レンジだけでも工夫できます

質問 ・心と体を温める食事内容を教えてください。

心も温まるといえば、やはり季節感は大切です。冬なら冬野菜たっぷりのお鍋だったり、春にはタケノコご飯だったり、旬のものがあると食卓が楽しくなります。また、旬の始まりに出始める “旬のはしり”は、次の季節の訪れを気付かせてくれます。たとえば8月の末にはもう栗が出始めますが、「残暑厳しいけれど、小さい秋見つけた」なんてうれしくなりますよね。そんなふうに季節の移り変わりを食事で楽しむことは、心を温め、心の栄養になることだと思います。

ひとり暮らしの方は、たくさんの食材を買うと使いきれなくてダメにしちゃうと思いがちですが、数種類の野菜をまとめてレンジ加熱して、数日内に食べるぶんは冷蔵、残りそうなら冷凍して保存すればOKです。食べるときにはまたチンして、ご自分の好きなタレをかけて食べるだけでも良いと思います。

秋ならキノコ類が加熱時間も少なく、おすすめです。パックに入ったキノコ全部をレンジでチンして、その日は温かいままポン酢で食べて、次の日はおみそ汁に入れるとか。舞茸とえのきなど複数を買ってきたら、全部一緒にレンジでチンして、温かいうちにしょうが醤油と鰹節を和えて食べて、残りは次の日の炊き立てご飯に混ぜるとか。お豆腐を温めて、残りのキノコと麺つゆ少々をかけてもおいしいです。全部レンジでできてしまいます。手間をかけなくても、工夫するのは楽しいものですよ。

せたがや相談室~体を温める食事~全4回を通していろいろお話ししてきましたが、体の調子を整えるには、「○○を食べれば大丈夫」という食材はありません。季節に合った食材をバランスよく食べることが大切です。

季節の食材を食べることは、その時期の体調を整えたり、次の季節のための体作りをしたり、また、心も楽しくなったりと、良いことがたくさんあります。体を温める食材だけにこだわり過ぎないで、まずは「季節のものを取り入れる」ことからはじめてみてくださいね。

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