語源・由来|「おおわらわ」「がむしゃら」 なりふり構わない人の様子を表す言葉

語源・由来|「おおわらわ」「がむしゃら」 なりふり構わない人の様子を表す言葉


「おおわらわ」「がむしゃら」、どちらもなりふり構わない人の様子を表す言葉です。よく使う言葉ですが、漢字ではどのように書くかご存じですか。漢字による表現のおもしろさも味わえる、二つの言葉の語源をお届けします。

子どものような髪型の大人 「おおわらわ」

「大型イベントの準備でスタッフは皆おおわらわだ」などという時に使う「おおわらわ」は、なりふり構わず一生懸命な様子を表す言葉です。

「おおわらわ」は漢字では「大童」と書きます。「童(わらわ)」とは3歳くらいから元服前までの子どものことを指しますが、では、大童とは大柄な子どものことをいうのでしょうか。そうではありません。大童は、大人でありながら子どものような髪型をしている様をいうのです。それでは、次に大童の語源について紹介していきます。

子どもが髪を束ねずに垂らしている髪型のことも「童」といいます。それに対し、大人は普段は髪を結っていますが、兜を脱ぎ、結びが解けると、髪がバラバラに乱れます。この髪を肩のあたりまで垂らしている姿を指して、まるで童の髪型のようだということから、「大童」というようになりました。さらには、軍記物語などで武者が乱れた髪で奮戦する描写がされることから、一心不乱になりふり構わず行う様子を、「大童」というようになったのです。
大童、という言葉の誕生背景には、意外にも、戦場で命がけで戦う武者の姿がありました。

忙しい人の様子を表す同様の意味の言葉に、「てんてこまい」「てんやわんや」があります。こちらについても語源をご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。

血気にはやる様子 「がむしゃら」

「受験を間近に控えて、彼はがむしゃらに勉強している」などと使う「がむしゃら」は、一つの目的に向かって、後先を考えず夢中で行動する様をいいます。

「がむしゃら」は、現在単体ではほとんど使われなくなった「がむしゃ」という言葉がもとになっています。「がむしゃ」は向こう見ずに行動したり、血気にはやる様のこと。また、そのような人を指す言葉でもあり、江戸時代の文献では「がむしゃ者」という言葉も見られます。この「がむしゃ」に接尾語の「ら」がついたのが「がむしゃら」なのです。漢字では「我武者羅」と書き、「羅」は当て字になります。

「がむしゃ」の由来については諸説あり、そのひとつは、「我武者」という字面から、がむしゃの語源を「我の強いわがままな武士」とする説です。しかし、江戸時代の文献では“かな”で書かれていることから、少なくとも「武者」という漢字は後世の当て字の可能性があるともいわれています。別の説では「がむしゃ」は「我」に「むしゃくしゃする」の「むしゃ」がついた言葉だといいます。気分がむしゃくしゃすることから、がむしゃらな行動に出てしまうこともあると思えば、由来として頷けるところもある説ですね。

なりふりかまわぬ人は、傍からはどのように見えるのでしょう。「大童」「我武者羅」ともに、漢字からは様子の異様さが伝わってきます。気ぜわしい時期や大変な状況に身を置いたときも、おおわらわや、がむしゃらにはならぬよう、心を落ち着けて過ごしたいものです。

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