世界遺産|歴史的建造物が残る貴重な製糸工場跡 「富岡製糸場」(群馬県)

世界遺産|歴史的建造物が残る貴重な製糸工場跡 「富岡製糸場」(群馬県)


富岡製糸場は、2014年6月に世界文化遺産登録された製糸工場跡です。群馬県富岡市にあり、明治5年(1872)に建設されました。日本で最初の官営模範製糸場で、明治から昭和にかけて活躍した大規模製糸工場を、ほぼ当時の姿のままで残しています。今回は維新の色濃い建造物群に触れ、日本が世界に誇る絹糸産業の歴史を楽しく学ぶことができる富岡製糸場についてご紹介します。

東置繭所(正面) 画像提供:富岡市

富岡製糸場へのアクセス

富岡製糸場へは、JR高崎駅から上信電鉄に乗り換え約40分の上州富岡駅で下車して、そこから徒歩約15分で着くことができます。車の場合は上信越自動車道富岡ICから約5分で到着します。

富岡製糸場の歴史と成り立ち

上空から見た東置繭所 画像提供:富岡市

富岡製糸場は明治維新後、近代化が求められていた日本で、主要な輸出製品だった生糸の品質向上と大量生産を目的とし、明治5年(1872)に誕生しました。「洋式の製糸技術を導入すること」、「外国人を指導者とすること」、「全国から工女を募集し、伝習を終えた工女は出身地へ戻り、器械製糸の指導者とすること」の三つを基本概念に、模範工場が誕生しました。

政府が指導者として雇い入れたフランス人のポール・ブリュナは、製糸産業が進んでいた母国フランスから技術者を呼び、洋式の器械を日本人の体格に合わせて発注したそうです。その後工場は、昭和62年(1987)の操業停止まで、実に115年もの間活躍し続けました。

世界遺産に選ばれた歴史的価値

斜めから見た東置繭所 画像提供:富岡市

富岡製糸場は日本の産業技術発展に貢献した貴重な遺産です。長い間生産量が限られていた生糸の大量生産を実現した「技術革新」と、世界と日本の「技術交流」を主題とした、近代の絹産業に関する貴重な歴史を持っています。日本が開発した生糸の大量生産技術は、一部の特権階級のものであった絹を世界中の人々に広め、その生活や文化をさらに豊かなものに変えました。

富岡製糸場の誕生後、全国各地にこれを規範とした製糸場が建設され、日本の産業振興、近代化へとつながりました。文化・経済発展に貢献するとともに、世界へ日本の力を知らせる役割も果たした富岡製糸場には、大きな歴史的価値があるといえます。また、ほぼ創業当初のまま非常に良好な状態で保存されている建造物群には、建築的価値もあります。次は、そんな建築的価値のある富岡製糸場の見どころをご紹介します。

富岡製糸場の見どころ

繰糸所の内部 画像提供:富岡市

広大な敷地内には、多くの見どころが点在しています。各施設をゆっくりと巡りながら貴重な歴史的遺産を見学していきましょう。

繰糸所(そうしじょ)

繭から生糸を作る作業が行われていた場所で、創業時にはフランス式の繰糸器が300釜も備えられました。当時の日本にはなかったトラス構造という頑丈な構造形式で建てられており、中央に柱のない広い空間を実現しているのも特徴です。

東置繭所(ひがしおきまゆじょ)

長さおよそ104メートル、入り口正面に見える富岡製糸場の象徴的建物。1階を事務所や作業場として用い、2階に乾燥させた繭を貯蔵した倉庫棟です。ほぼ同じ構造の西置繭所もあります。

首長館(しゅちょうかん)

フランス人指導者のポール・ブリュナが、家族とともに明治8年(1875)まで暮らした住居棟。その後、建物は工女などの宿舎や教育や娯楽の場として利用しました。企業内教育の先駆けともいわれています。

蒸気釜所(じょうきかましょ)

ボイラーと蒸気機関が設置されていた建物です。後に改造・増築され煮繭場や選繭場として使われました。

検査人館(けんさにんかん)

生糸の検査などを担当したフランス人男性技術者の住居です。日本の湿潤な気候に対応するため、コロニアル様式が採用され風通しの良い造りになっています。2階には政府の役人や皇族が訪れた際に使用されたという「貴賓室」があります。

女工館(じょこうかん)

日本の工女たちに、糸繰りの技術を教えるために雇われたフランス人女性の住居です。その後、大正12年(1923)に改築が施され、1階は食堂、2階は会議室などに用いられるようになりました。

首長館(北側) 画像提供:富岡市

富岡製糸場
所在地:群馬県富岡市富岡1-1
電話番号:0274-67-0075(場内総合案内所 売店窓口)
営業時間:9:00~17:00(最終入場16:30)
休場日:年末(12月29日~31日)
見学料:1,000円

近代日本の歴史を感じられる魅力あふれる施設です。レンガ壁などの美しい建物はとても絵になり記念撮影にもおすすめ。広い敷地に見どころが点在するので、のんびり歩いて見学してみてはいかがでしょうか。

※掲載されている情報は2018年12月現在のものです。

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