平成特集|時代を映す女たち、男たちへの新たな呼称

平成特集|時代を映す女たち、男たちへの新たな呼称


男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年。元号が平成に変わる3年前です。平成は、女性の活躍の場が大きく増えた時代でもありました。社会の変化とともに、その時代を生きる男女の呼称も新たに生み出されてきました。今回は、女性、男性の呼び方にまつわる、平成生まれの言葉を紹介します。

ファッション業界発の言葉 「アラサー」「アラフォー」

「アラサー」「アラフォー」という言葉は、「around thirty」「around forty」の略で、30歳前後、40歳前後を指す言葉です。平成生まれの流行語なのですが、この2つのうち、どちらの言葉が最初に世に出てきたでしょうか?

答えは「アラサー」です。「アラサー」は、2006年(平成18年)ごろから流行した言葉です。もともと「アラサー」は、1990年半ばを高校・大学で過ごした30歳前後の女性を指していました。1990年代はコギャルと呼ばれる女の子が、茶髪、ルーズソックス、厚底ブーツ、プリクラ文化といった独自の流行を作っていった時代です。1995~1996年は、歌手の安室奈美恵さんのファッションを模倣する人たち、「アムラー」が急増した時代でもありました。こうした特徴的なファッション傾向を持って、大人になった世代を、ファッション業界が名付けて「アラサー」と呼んだのです。

この「アラサー」をもじったのが、40歳前後を表す「アラフォー」です。2008年(平成20年)に放映されたドラマのヒットにより、流行語となった言葉です。当時「アラフォー」は、1980年代半ばを高校・大学で過ごした40歳前後の女性を指していました。彼女たちが社会人デビューするタイミングで施行されたのが、男女雇用機会均等法です。仕事と結婚の選択が自由になり始めた最初の世代でもあった女性たち。仕事でキャリアを積む道を歩んだ人、結婚して家庭に入った人、子育てと仕事の両立を模索していった人……。さまざまな道に分かれ経験を積み、40歳前後となった彼女たちを表した言葉が「アラフォー」でした。年をとりすぎてもいなければ、決して若くもない。積んできた経験を活かすか、未知の分野に挑戦するのか。年齢なりの悩みを抱えつつ、自分の培ってきた価値観に対して強い自信を持つ世代に、「アラフォー」という言葉の登場は、互いへの共感性を持たせたのではないでしょうか。

流行から10年以上がたっても、「アラサー、アラフォー」という言葉は消えていません。三十路、四十路といった昔風の言葉より響きが軽くて使いやすいという点もあるでしょうが、その年代の人たちの悩みが、10年前と今を比べても、大きくは変わらないからなのかもしれませんね。

若者語から生まれた言葉 「イケメン」

容姿がすぐれている男性を指す言葉が「イケメン」。テレビなどでは、もはや聞かない日はないくらいの言葉ですが、いつから使われているのでしょうか。

イケメンの「イケ」は「イケてる」の略です。「イケてる」は「気が利いている」とか「魅力的でかっこいい」ことを表す「イカす」から派生した言葉で、容姿や服装がかっこいいという意味の若者語です。1996年にスタートした、あるバラエティー番組と共に、全国的に広まりました。「メン」は男性を意味する「men」のことですが、「面」を意図している説もあります。

1999年(平成11年)、ギャル系ファッション誌において、魅力的な男性を紹介するコーナーで「イケメン」という言葉が登場します。以降、メディアでよく使われるようになり、2007年には、多くの若手俳優が登場したドラマで「イケメン」はタイトルとして使われました。さらに、2008年に発行された広辞苑第6版では、「いけ面」として掲載されるほどに一般に知られた言葉となっていったのです。

それから約10年の月日を経て、イケメンをもじった言葉として2010年(平成22年)前後に流行した言葉が「イクメン」です。これは、育児を率先して積極的に行う男性を指した言葉でした。女性が社会で働くことが当たり前になってからも、育児は女性の担当という文化は根強く、仕事と育児の両方を抱える女性の負担の大きさが指摘されるようになった時代に、「イクメン」という言葉が登場しました。この言葉の登場で、男性の育児参加は大きく肯定、賛美されるようになったのです。○○メンという言い方は、汎用性の高い言葉で、ほかに家事を積極的に楽しむ「カジメン」という言葉もあります。

平成には、「○○王子」という言葉もはやりましたが、王子ほど手の届かない存在でなくてもいいから、身近な男性に魅力的でいてほしいと思う、そんな女性心が、時代に合わせた「○○メン」を生み出していくのかもしれません。

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