野菜の豆知識|春の野草「よもぎ」の栄養と使い方

野菜の豆知識|春の野草「よもぎ」の栄養と使い方


3月から5月にかけては、春の野草「よもぎ」が芽吹く季節。河原や道端、アスファルトの裂け目でも生育できる、生命力の豊かな植物です。野草のなかでも見かける機会が多い身近な存在ですが、実は薬としても食材としても大変優秀なのです。今回はよもぎの栄養や効能、活用方法などをご紹介します。

春にふさわしい和ハーブ「よもぎ」

よもぎは食材として、また薬として、古くから日本で重宝されてきました。ヨーロッパでもハーブの母とも、ハーブの女王とも呼ばれる代表的な薬草です。民間療法として、よもぎの葉をよくもんで出た汁は止血や虫刺されに使われ、煎じて飲めば、胃腸の不調や貧血に効くとされています。

また、よもぎは艾葉(ガイヨウ)という生薬名で、「理血剤」として漢方薬にも入っています。「理血剤」とは、血行を促したり、出血を止めたりといった血をコントロールする働きがあり、日本でも処方されるよもぎ入りの漢方薬「芎帰膠艾湯(キュウキキョウガイトウ)」は、冷え性の傾向がある方の痔出血や、月経に由来する貧血・腹痛に処方されます。

よもぎの栄養 貧血予防や健康な骨のために

草もちや天ぷらにするとおいしいよもぎは、鉄分にカルシウム、ビタミンB2、ビタミンK、カリウム、クロロフィル(葉緑素)など、栄養豊富な緑黄色野菜です。

ビタミンKは「止血のビタミン」とも呼ばれ、出血した時の血液凝固を促進します。また、骨の形成を促す効能があるため、骨粗しょう症の治療薬にも使われる栄養素です。よもぎに多く含まれるカルシウムと併せて、骨の健康に役立ちます。

また、クロロフィルとは葉緑素とも呼ばれ、植物や海藻などに含まれる緑の色素成分です。ヒトや動物の血液の色素ととても似た構造をしていて、コレステロールを下げたり、貧血の予防・改善をしたり、整腸作用・消炎作用といった効果が期待されています。

こうして栄養素を見ていくと、よもぎをケガの治療に使ったり、胃の不調や貧血に使われたりしてきたのは理にかなっていたのだと、昔の人の知恵におどろかされます。

天ぷら、よもぎもち、パンに混ぜて

豊富な効能が期待できるよもぎは、独特の香りと苦味が食欲をそそる食材でもあります。さまざまな場所で自生していますが、よもぎに似た草のなかには毒草もあるため、野草摘みに詳しい方以外は、通販などを活用して手に入れるのがおすすめです。

生のよもぎはよく洗い、5分ほど煮てから再びよく洗って、細かく刻みます。これを上新粉に混ぜればよもぎもち、パンの材料に練りこめばよもぎパンを作ることができます。刻んだよもぎは冷凍保存も可能です。天ぷらにする時は、柔らかい新芽を選んで、よく洗って使うようにしましょう。生のよもぎを使ったメニューは、市販のものより香りが高くとても美味です。

冷え性の方に、カラダをあたためるよもぎの湯

日本ではよもぎを入れた「よもぎ湯」が春の薬湯で、冷え性や腰痛、かぶれや切り傷などに効くと愛されてきました。ちなみにおとなりの韓国では、よもぎを煎じた蒸気を浴びる「よもぎ蒸し」があり、産後の女性や冷え性によいと、近年では日本にも体験できる施設があります。

よもぎ風呂は乾燥したよもぎ30グラム(画像は乾燥よもぎ。通販や漢方薬局で入手できます)、もしくは生のよもぎ(20センチくらい)5~6本を使います。乾燥よもぎの場合はガーゼなどの袋に入れてそのまま浴槽へ、生のよもぎなら細かく刻んで鍋で煮出して濾した煮汁を浴槽に入れます。よもぎの量を減らして、足湯としての活用もおすすめです。

足湯については、下記の記事も参考にしてみてください。

よもぎ湯は茶色で、タオルにも色がついてしまうので、お風呂から出る前にシャワーで流すか、紺や茶色などのタオルで体をふくようにしましょう。爽やかな香りがお風呂に広がり、身体も心もすっきりさせてくれますよ。

食べてよし、入ってよしのよもぎ。これだけの多くの効能が昔から知られていたのは、よもぎの生命力が強く、さまざまな場所で自生してくれる身近な存在だったからかもしれません。ちなみに以前ご紹介した「お灸」も、原料はよもぎです。よもぎの頼れる効能を、ぜひ生活に取り入れてみてくださいね。

お灸が初めての方には、こちらの記事を参考にしてみてください。

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