郷土料理|ほんのり香る卵と歯ごたえがおいしい 卵めん(岩手県)

郷土料理|ほんのり香る卵と歯ごたえがおいしい 卵めん(岩手県)


岩手県のご当地麺「卵めん」は、卵を具材にした麺料理ではなく、麺そのものに鶏卵が練り込まれている、ユニークな郷土料理です。今回は、「卵めん」の概要と、おすすめの食べ方についてご紹介します。

岩手県の郷土料理「卵めん(らんめん)」とは

小麦粉、水、塩に卵を練り込んだご当地麺

卵めんは、岩手県の南部、奥州市江刺区周辺でよく食べられているご当地麺のひとつで、鶏卵素麺ともいわれます。まっすぐで細い姿は確かに素麺を思わせますが、素麺が小麦粉、水、塩で作られるのに対し、卵めんには卵も練り込まれており、ほんのり黄色いのが特徴です。
ちなみに、福岡県にも「鶏卵素麺」と呼ばれるご当地名物があります。細長く麺のような姿ではありますが、こちらはポルトガルから伝来したという、卵と砂糖を原料とするお菓子です。

麺自体にほんのり風味がありシャキッとしていて、のびにくい

卵めんは他の麺類と同様に、つゆなどで味付けをして食べるのが一般的です。卵が加わることで麺自体にほんのりとした風味が付いていて、つゆとの組み合わせでより深い味わいを楽しめます。また、水分をあまり使わない製法なので歯ごたえもシャキッとしていますし、ゆでてから時間が経ってものびにくいところも特徴です。

歴史的エピソードも興味深い卵めん

江戸時代、長崎から岩手へわたったキリシタンが作り出した味

卵を使う製法は、和食の麺としては珍しいものですが、実は卵めんのルーツにその理由が隠されています。
卵めんは江戸時代、現在の長崎県から岩手県へ逃れてきたキリシタンによって作り出されたのが始まりとされています。その時参考にしたのが、オランダから伝わっていたカステラの製法。卵と小麦粉を合わせるというアイデアは、ここから生まれたのです。

「蘭麺」から「卵めん」へ、名付け親は……あの板垣退助!

オランダから伝わった麺ということもあり、当初の卵めんは「蘭麺」と呼ばれていました。その後明治時代になって、当地を訪れた政治家の板垣退助が卵めんを大層気に入り、「蘭麺」や「鶏卵素麺」よりも分かりやすく短い名前がよいと「卵めん」の名を提案したのだそうです。「たまごめん」ではなく「らんめん」と読むのにも、こんな経緯があったのですね。

卵めん、おすすめの食べ方は?

素麺のようにゆでたてを冷水でしめ、つゆにくぐらせて

卵めん自体の味をじっくり楽しむなら、シンプルな冷やしつけ麺がおすすめです。乾麺をたっぷりのお湯で4~5分ゆで、冷水でしめてからザルなどにあげていただきます。素麺と同じようにつゆにネギやワサビなどの薬味を加えたり、ごまだれで味わったり、天ぷらなどと組み合わせてぶっかけ麺にしてもおいしいですよ。

温かいつゆで煮込んでにゅうめん風に

肌寒い時期などは、ゆでた卵めんを温かいつゆに加え、にゅうめんのように仕立てるのもおすすめの食べ方です。のびにくい麺なので、具材と一緒に煮込んでもおいしくいただけます。

カレー味やサラダ、炒めてもおいしい

卵めんは和食ではありますが、洋風のアレンジメニューも豊富です。卵めんの地元、岩手県ではカレースープ付きの卵めんも販売されています。卵めん入りのサラダは学校給食や飲食店でも提供されるといいますし、野菜などと卵めんを炒めてもおいしく食べられます。

ご当地麺メニューは日本各地でよく見かけますが、「麺そのものが昔から特徴的な作り方をされてきた」というご当地麺は珍しいのではないでしょうか。長く地元で愛されてきただけあって「素麺よりおいしい」と称賛するファンも多い卵めん、ぜひ一度召し上がってみてください。

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