郷土料理|豆腐が入った山村のやさしい味「どんどろけ飯」(鳥取県)

郷土料理|豆腐が入った山村のやさしい味「どんどろけ飯」(鳥取県)


どんどろけ飯とは、炒めた豆腐や根菜が入った炊き込みご飯のこと。鳥取県の山村で人が集まる際に作られてきた郷土料理で、あっさりしたしょう油の風味と出汁が香るやさしい味です。食べごたえがあり、冷めてもおいしいのでおにぎりにもぴったり。どんどろけ飯の由来や、作り方についてご紹介します。

画像提供:©鳥取県

どんどろけ飯とは

どんどろけ飯は、鳥取県の中部から東部にかけての山村で普及した炊き込みご飯。炒めた豆腐、ごぼう、人参、しいたけ、ネギ、油揚げが入った具だくさんご飯で、ほんのりお出汁としょう油が香ります。豆腐が傷みやすいためかつては寒い時期限定のメニューで、その時期の農作業の節目や村の集まりの時には必ず作られていました。

水気を飛ばすため、崩した豆腐をしっかりと炒めます。そうすることで、豆腐がぎゅっとしまり、味が染みておいしくなります。熱したフライパンに豆腐を入れると、「バリバリバリッ」と爆ぜるような、まるで雷が鳴っているかのような音がします。かつては大きな鉄鍋でどっさり作っていたそうですから、その音はさぞ大きかったことでしょう。この地方では「どんどろけ」は「雷」のことで、豆腐を炒める時の音を指して「どんどろけ飯」を呼ばれるようになりました。

昭和に入ってからは野菜だけでなく鶏肉も入るようになったり、炊飯器の普及で炊き込みご飯だったのが混ぜご飯で作られるようになったり、時代とともに変化しながら今もなお愛される郷土の味です。

郷土料理にはどんどろけ飯のように、調理中の様子や食べ方からその名がついたものがたくさんあります。せたがや日和でもいくつかご紹介していますので、ぜひ読んでみてください。

豆腐のおかげでたんぱく質とヘルシーさがアップ

どんどろけ飯の特徴は、やはり炒めた豆腐が入っていることでしょう。豆腐によってかさ増しされて満足感がありながら全体のカロリーが抑えられ、しかも良質なたんぱく質や、カルシウム、鉄分などをこの1膳で摂ることができます。

また、日照時間が減少する秋冬には、「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンが体内で作られにくくなります。不足すると気分の落ち込みや過眠、過食などの不調が現れるのですが、豆腐はこのセロトニンの材料であるトリプトファンが含まれています。どんどろけ飯が寒い時期限定だったのは豆腐の足が早いからですが、栄養学的な意味でも秋冬には豆腐を食べるのは正解なのです。

秋冬の不調とセロトニンの関係はこちらを参考にしてみてください。

どんどろけ飯のレシピ

どんどろけ飯は具材を炒める必要がありますが、あとは炊飯器で調理できます。さっそく作ってみましょう。

<材料:4人分>
米…3合
木綿豆腐…半丁
ごぼう、人参、ネギ、油揚げ…各50グラム
干ししいたけ…2枚

だし汁…3カップと1/3(顆粒だしと水でもOK)
しょう油…大さじ2と1/2
酒…大さじ1
砂糖…小さじ1
ごま油、もしくはサラダ油(炒め用)…小さじ2ほど

<下ごしらえ>
・豆腐は水切りしておく
※レンジで水切りすれば時短になります。
キッチンペーパーで豆腐を包んで耐熱皿に載せ、ラップせず1分半ほどレンジで加熱(500ワット~600ワット)。やけどに気をつけて取り出してください。
・ごぼうはささがきしてアク抜き
・人参は小さめの千切り
・ネギは小口切り
・干ししいたけは小さめの千切り
・油揚げは熱湯をかけて油抜きしてから、小さめの千切り

<作り方>
1.油を入れて熱したフライパンに豆腐を手で崩しながら入れ、さらに水分を飛ばすように炒める(油・水はねに注意)
2.残りの材料も入れて炒め、しょう油を半量入れてなじませる
3.炊飯器に米とだし汁、残りの調味料を全て加えてざっと混ぜる
4.2で炒めた具材を米の上に乗せ、混ぜずにそのまま炊飯する
5.炊きあがったら具と米を混ぜて出来上がり

どんどろけ飯に使う豆腐は木綿豆腐です。木綿豆腐は絹ごし豆腐とくらべて硬めにできていて崩れにくく、炒めものに向いています。以下の記事では木綿・絹ごしの栄養の違いや、適した使い方をご紹介しています。

秋冬においしくなる季節の根菜と、ヘルシーな豆腐の組み合わせは、寒い時期にぴったりの健康メニュー。あたたかいおみそ汁と合わせれば、それだけで体が喜ぶ1食になりそうですね。ここでご紹介したレシピはひとつの例。お好みで具材を増減できるふところの深さも郷土料理のよいところです。時間に余裕がある時や野菜が少しだけ余った時に、ぜひ作ってみてください。

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