間違いやすい日本語|「圧倒的」「おざなり・なおざり」 微妙な違いで異なる意味を持つ言葉

間違いやすい日本語|「圧倒的」「おざなり・なおざり」 微妙な違いで異なる意味を持つ言葉


日本語には、微妙な違いがあり混同しやすい言葉、または似ている言葉同士が似ている意味を持っていることがあります。今回は、そんな「圧倒的」と「おざなり・なおざり」について掘り下げてみましょう。

圧倒的

次のうち、正しい使い方はどちらでしょう?

1:日本チームは圧倒的な勝利をおさめた。
2:今回の試合は、圧倒的な差で敗北を喫してしまった。




勝負事などで、相手に対してかなりの差をつけることを「圧倒的」と表現しますよね。しかし相手との差が開いており、なおかつ今回のクイズのように、負けている時に「圧倒的」を使うのは、実は誤用なのです。
「圧倒的」という表現には、他より段違いで勝っていること、比べ物にならないほど優れていることという意味があります。つまり、相手より劣っていたり、勝負事などにおいて大差で負けた場合に使用するのは間違い。ですから、この正解は「1」です。
ネガティブな意味でもこの言葉を使いがちなのは、「圧倒的」という言葉が「他と比較して大差がついている」だけという意味で捉えられているからかもしれませんね。「2」の例文での「圧倒的」も「大差がついている」という意味で使われていますが、敗北した場合は「決定的な差で」とするのが正しい表現といえるでしょう。
圧倒的と似た意味として使われる言葉に「圧倒」と「圧巻」があります。「圧倒」は圧倒的同様、他と比べて大きな差をつけて優れていることに加え、他より優れた力で押さえつけるという意味を持っています。一方の「圧巻」は、一つの集団やまとまりの中で優れている箇所や部分のことを指し、圧倒とは微妙に違う意味を持っています。

おざなり・なおざり

次のうち、正しい使い方はどちらでしょう?

1:後片付けを頼んだにもかかわらず彼女は何もせずに帰宅してしまい、私の頼みをおざなりにした。
2:後片付けを頼んだにもかかわらず彼女は何もせずに帰宅してしまい、私の頼みをなおざりにした。




「おざなり」と「なおざり」、似ている言葉である上に、使い方や意味も区別がつけにくい言葉ではないでしょうか。しかし、この二つの言葉の語源はまったく違うものなのです。
まず、歴史が古い「なおざり」から見ていきましょう。「なおざり」は漢字で「等閑」と書き、平安時代にはすでに使われていたそうです。分解してみてみると、「なお」はそのままの状態、何もしないという意味で、「ざり」は「去り」、または「しない」という意味の「せざり」がもとになっています。組み合わせると「そのままにして去る」という意味になり、それが転じて物事になにも手をつけない、おろそかな扱いを表すようになったそうです。
「おざなり」は「なおざり」より新しく、江戸時代から使われていたのだそう。こちらは、お座敷や宴会の席という意味の「お座」で芸を披露していた人が、客の顔ぶれによって力を入れたり手を抜いたりした様子がもとになっています。「お座」に物の形状を表す「なり(形)」が加えられ、仕事はしているけれどいい加減、という意味を持つ「おざなり」という言葉になったのだそうです。
これらの由来から、「なおざり」は物事を丸々放っておく、または何も手をつけないという意味で、「おざなり」は「手をつけてはいるものの適当にすませる」「その場しのぎにいい加減に扱う」という意味になります。今回のクイズは「何もしていない状態」なので、正解は「2」です。
「おざなり」と「なおざり」でよく使われるのが、「○○な態度」という表現ではないでしょうか。上記の意味を踏まえると、使い方でまったく意味が異なるのがわかりますね。

いかがでしょうか?日本語には似た表現がいくつも存在していますが、今回ご紹介した言葉の場合、使い方ひとつで意図しない意味になることもあります。日本語の正しい意味を知っておくことはとても大切ですね。

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